本屋大賞受賞のベストセラー小説を、広瀬すず&松坂桃李のW主演で映画化した『流浪の月』。本作品は、深いテーマ性と衝撃のラストで話題になりました。この記事では、流浪の月 キャストや衝撃のラストについて解説します。ネタバレが含まれますので、まだ観ていない方はご注意ください!
流浪の月ってどんな作品?
『流浪の月』は、2020年の本屋大賞を受賞した凪良ゆうの同名ベストセラー小説を基に『悪人』『怒り』の監督、李相日が手がけた人間ドラマです。雨に濡れた女児を公園で保護した青年が“誘拐罪”で逮捕され、それに巻き込まれた少女との15年後の再会を描いています。広瀬すずと松坂桃李がW主演をつとめ、共演には横浜流星、多部未華子、趣里、柄本明らが名を連ねています。
あらすじ
大学生の佐伯文は、ある雨の夕方、公園でびしょ濡れの少女・更紗に傘をさしかける。しかし、伯母の家に帰りたがらない彼女を2カ月間部屋に入れて過ごした彼は、誘拐の容疑で逮捕されてしまう。15年後、ふたりは“加害者”と“誘拐被害女児”として再会し……
キャスト
- 家内更紗:広瀬すず(幼少期:白鳥玉季)
- 佐伯文:松坂桃李
- 中瀬亮:横浜流星
- 谷あゆみ:多部未華子
- 安西佳菜子:趣里
- 湯村:三浦貴大
- 安西梨花:増田光桜
- 佐伯音葉:内田也哉子
- 中瀬清:伊藤洋三郎
- 阿方:柄本明
【ネタバレ注意】流浪の月 衝撃のラストとは?
『流浪の月』のラストでは、文(松坂桃李)が更紗(広瀬すず)の前で全裸になり、「身体が大人にならない病気を抱えている」と告白します。泣きじゃくる文を、更紗は強く抱きしめます。そして2人は自分たちを知らない土地で生きていくことを決意しました。「もし誰かに気づかれたら?」という文の問いに、更紗は「その時は、再び流れていけばいい」と答えるのでした。
流浪の月 実話を基にしている?
『流浪の月』の物語はフィクションとなり、実話を基にした作品ではありません。モデルとなった事件や人物がいるかは定かではありませんが、似たような事件は現実にも何件か起こっています。
東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(1988年)
この事件を起こした犯人には、手首を回せず手のひらを上に向けられない「両側先天性橈尺骨癒合症」という障害がありました。そのために幼少期からいじめられたりして非常に辛かったと供述しています。『流浪の月』の文も、「小さな子供なら病気の自分を受け入れてくれるんじゃないか」と考えて事件を起こしてしまっているため、共通点はあります。
小6女児・家出・誘拐事件(2007年)
インターネットで知り合った小学6年生の女児を20歳の会社員男性が連れ出した事件です。犯人が逮捕され、捜査員に保護された女児は「帰りたくない。お兄ちゃんは悪くない」と話し、長崎県警の調べにも口を閉ざしていたといいます。もともと女児は家を出たくて男に助けを求めていて、男の家にいる間も逃げようと思えば逃げられる状態でした。『流浪の月』の文と更紗に、まるで状況が似ています。
まとめ
『流浪の月』は、常識が偏見を生み、優しさが自己満足に陥ることを訴えかける物語です。人間関係や価値観について深く考えさせられるメッセージ性を持っています。ベストセラー小説を実力派俳優たちが演じた傑作、何度も見返してみてください!